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リバースエンジニアリングを加速する3Dスキャナー活用術 ─ CADデータ化から品質検査まで完全ガイド


はじめに

「古い部品の図面がない」「試作品を短期間で作り直したい」──そんな課題を解決する手段としてリバースエンジニアリングが注目されています。近年は3Dスキャナーの高精度化・低価格化が進み、従来よりも手軽に“スキャン to CAD”のワークフローを導入できるようになりました。この記事では、3Dスキャナーを用いたリバースエンジニアリングと品質検査の最新手法を、マーケットデータや事例とともに詳しくご紹介します。


1. 3Dスキャナーでのリバースエンジニアリングとは何か


  • 定義:既存製品を測定・解析し、設計意図や寸法情報を再構築するプロセス。

  • 主な目的

    1. 代替部品の製作(レガシーパーツ対応)

    2. 競合製品のベンチマーク

    3. デジタルツイン・CAD資産化

    4. 品質検査・トレーサビリティ向上


3Dスキャナーは、従来の接触式測定に比べ高速かつ非接触で複雑形状を取得できるため、リバースエンジニアリングの中心技術として採用が進んでいます。


3Dスキャンからのリバースエンジニアリング
3Dスキャンからリバースエンジニアリング

2. スキャン to CAD ワークフロー

ステップ

使用ツール例

ポイント

① スキャン取得

ハンディ型 or 固定式3Dスキャナー

測定精度・対象サイズ・表面状態に応じて最適機種を選定

② メッシュ編集

CloudCompare / MeshLab/Blender

ノイズ除去、ホールフィリング、リトポロジー

③ アライメント

Geomagic Design X / ZEISS Inspect

XYZの原点出し、位置合わせ

④ CAD化

Geomagic Design X / Rhino / SolidWorks

曲面再構築、パラメトリックモデリング

⑤ 品質検査

PolyWorks / ZEISS InspectGeomagic Control X X

スキャンデータと設計値の差分解析(カラーマップ)

リバース専用or 品質検査専用ソフトは必要?

結論としてはリバース専用ソフトはあった方がよい、品質検査ソフトは品質検査用に3Dスキャナー購入した場合はほぼ必須と考えていただいた方がいいかと思います。


リバース専用ソフトがあった方がいい理由

  1. メッシュ処理、座標の調整(グローバルアラインメント)、モデリングまでをソフトウェア一つで完結できるので時間短縮につながる。

  2. 厳密なXYZの座標を出すことができるので中心軸や左右対称なモデルを作成する際には必須。

  3. その他3Dスキャンデータを扱うための機能が豊富、3Dスキャンから輪郭線のスケッチ化などがしやすい


品質管理ソフトが必須な理由

  1. スキャナ―のソフトでできる測定はかなり限定的でざっくり測るくらいしかできない。

  2. CADではメッシュデータの測定はほぼ厳しい。特にCADの基準面からの測定などができないケースがほとんど。

  3. レポート機能でどのような手順で計測を行ったかの説明ができる。



3. 市場データで見る導入メリット

世界の3Dスキャナー市場は2024年時点で51億USD規模。2034年までに142億USDドルまでの成長が見込まれています。参照:Global Market Insights Inc.IMARC Group

その中でも特に品質検査・リバースエンジニアリング分野は特に注目されており、製造業のDX化推進には欠かせない分野になっております。


4. 失敗しない3Dスキャナー選定ポイント


  1. 測定精度と被写界深度:サブミリ要件ならブルーライト or レーザータイプ。

  2. 対象物サイズ:大型部品ならハンディ+ターンテーブルの併用。

  3. ワークフロー連携:既存CAD/CAMソフトとの互換性を確認。

  4. サポート体制と校正サービス:長期運用コストを左右。

  5. 価格:予算に合わせて購入。別途ソフトウェアが必要なのかは重要な検討事項


5. 最先端技術 × 3Dスキャンで広がる可能性

近年はスキャンデータをAIが自動分類・欠陥抽出するソリューションが登場。将来的には完全自動のインライン検査やそのまま同じ形状でCAD化するだけではなく、ジェネレーティブデザイン・コンピューテーショナルモデリングなどを使用した改良した性能を持つ製品制作への応用が期待されています。


3Dスキャンデータ活用の応用例:コンピューテーショナルモデリング

6. 低価格帯3Dスキャナーでも使える?


当然求める精度によるという回答になってしまいますが、 低価格帯3Dスキャナー優秀なリバースエンジニアリングソフトを組み合わせた方が、 ① 投資回収が早く、② ワークフロー全体の自動化レベルも高まる――というケースが大半です


項目

高価スキャナー単体

低価格スキャナー+REソフト

初期コスト

300 万~2000 万円

スキャナー 15 万~30 万円 + ソフト 100 万~250 万円

点群修復・自動フィーチャ抽出、CADモデリング

ハード依存。結果的に別途ソフト購入が必要な場合も

Geomagic 等で一括処理―操作負荷↓

品質検査

基本的にはスキャナーに必要な測定機能はついていないため、そもそも測定は難しい。高価格スキャナーと検査ソフトはセットの扱いも多い。

簡単に操作はできるものの、低価格3Dスキャナーでは精度保証等の不安はあり。品質管理ではおすすめできない。

ROI(投資回収)

部品点数が多くないと長期化

6 ~ 12 か月で回収できることも

  • リバースエンジニアリングにおすすめの低価格3Dスキャナー






7. まとめ

リバースエンジニアリングは製造業のDX推進に欠かせないプロセスです。3Dスキャナーの活用で「迅速なCAD化」「高精度な品質検査」「設計資産のデジタル管理」が一気通貫で実現可能。まずは低価格帯でも高精度な機種から導入し、ワークフローを構築してみてはいかがでしょうか。


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