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【2025年最新】製造業向け3Dスキャナーで低価格帯は使えるのか!精度・価格で失敗しない選び方


はじめに

「高価な3Dスキャナーは導入できないが、10万円台の低価格機は本当に使えるのか?」——これは多くの製造業担当者が抱える悩みです。この記事では、低価格でも製造現場で活躍する3Dスキャナーの選び方と、高価格機を検討する前に知るべきこと、そして購入前の最終チェックポイントを簡潔に解説します。


1. なぜ今、製造業で「低価格3Dスキャナー」が注目されるのか?

低価格3Dスキャナーは、単なるコスト削減ツールではありません。中小企業でも導入しやすく、大きなメリットを生み出します。

  • リバースエンジニアリング: 図面のない部品や金型を迅速にCADデータ化。

  • 品質保証(QA): 自由曲面も非接触で測定し、設計データとの比較検査を効率化。

  • 製造DXの推進: 取得した3Dデータを設計から検査までのデジタルプロセスに統合。


リバースエンジニアリングのやり方

2. 【プロが解説】製造業向け3Dスキャナー選び・4つの鉄則

カタログスペックに惑わされずに、製造業向け3Dスキャナー購入に失敗しないためには以下の4点が重要です。

  1. 【最重要】精度証明の要否を判断する 低価格機は基本的に校正証明書などが発行されません。公的書類への添付や取引先への精度保証が求められる場合は、証明書発行が可能なハイエンド機が必要です。社内での寸法確認やリバースエンジニアリング用途であれば、メーカー公称値±0.05mm程度の機種でもしっかりとスキャンができていれば十分なケースもあります。

  2. 【作業性】スキャン対象で方式を選ぶ

    • 卓上型: 小さな部品を全自動で高精細にスキャンしたい場合に最適。

    • ハンディ型: 大きな対象物や、動かせない設備のスキャンに必須。

  3. 【効率】速度とワークフロー スキャンしたデータをソフトウェアが自動で位置合わせ・合成してくれる機能は必須です。これがなければ作業時間が大幅に増加します。また、データ処理の時間も頭に入れましょう。

  4. 【安心】国内アフターサポート トラブル時に迅速に対応してくれる国内代理店の存在は極めて重要です。購入前にサポート体制(対応速度、技術レベル)を確認しましょう。


3. 【Matter and Form THREEのデータで見る】30万円以下クラスの実力


使用するスキャナーはこちら


Matter and Form THREE


Matter and Form THREE本体


3.1 小型部品(34 mm ピストン)


Matter and Form THREEでスキャンしたピストン

直径 34 mm のアルミピストンのスキャン結果です。下記の微小形状が確認でき、実測33.96 mmと実測の評価に十分な品質が得られました。


  • ネジ穴周囲の R0.2 面取り

  • ピン打痕 0.1 mm

  • クロスハッチの研磨痕


3.2 中型部品(エンジンブロック)

エンジンブロックの3Dスキャン結果

ポイント:

  • 冷却フィン厚 2–3 mm 程度でも潰れずに取得。

  • 約 20 cm クラスの部品でも 10 分程度で全周スキャン完了。



これら 2 例から、低価格機でも小型精密部品から中型鋳造品までカバー可能であることが分かります。特にステレオ構造光方式は、微細リブと深穴の両立に強みがあるため、エンジン周辺部品やダイカスト製品のリバースエンジニアリングに最適です



4. その投資は本当に必要? 高価格機を導入する前の3つの注意点


数百万円のハイエンド機を検討する前に、一度立ち止まってください。

  1. その「超高精度」、本当に必要ですか? 自社の製品で求められる公差だけでなく納入目的のスキャナーで使いたい用途に対し、ミクロン単位の精度はオーバースペックかもしれません。過剰投資になっていないか冷静に判断しましょう。

  2. 見落としがちな「運用コスト」と「専門人材」 ハイエンド機は高額な年間保守料やライセンス料だけで年間20万~50万円程度かかります。また、高度な機能を使いこなす専門人材の確保や育成も必要です。

  3. ROI(投資対効果)を具体的に描けていますか? 「導入で何時間削減でき、いくら費用対効果があるのか?」を数値で試算できていなければ、高額な投資は危険です。


    高価格機(メトロロジーグレード)が不可欠なケース

目的

補足

量産部品の品質管理・三次元測定

(CMM の代替・GD&T 評価)

国家標準トレーサビリティが求められるため、レーザートラッカー/ブルーレーザースキャナーなどが主流

高精度なリバースエンジニアリング

(金型・タービンブレードなど)

CAD サーフェスをそのまま再製造に使うレベル。曲面の滑らかさ(曲率連続性)も重視

超小型パーツのスキャン

(光学部品、医療インプラント)

干渉計やホワイトライト顕微鏡、CT スキャナー等の領域

ポイント:誤差の絶対値だけでなく 繰り返し精度 や ボリューム精度(大型ワークでの累積誤差)も要求されます。

低価格機でも十分こなせるケース

目的

実務上の使い方

パーツに合うカバー・治具の作成

形状フィットが主目的。3D プリントで後加工する前提なら低価格機で可

一般的なリバースエンジニアリング

(樹脂筐体、機構部品)

元図面がない古い部品を CAD 化する用途。面取りや隙間の寸法はリバース用ソフトで調整

簡易的な社内検査

(抜き取り検査、摩耗モニタリング)

CADとスキャンデータを重ね合わせてカラーマップで「傾向」を把握。

試作・デザイン検証

(意匠モデル、3D プリント品)

視覚確認と干渉チェックが目的のため、表面ノイズよりスピード重視



5. デモをしなくて大丈夫? 低価格機種を導入する前の5つの注意点


低価格機はネットで手軽に買えますが、デモ機を試せない場合がほとんどです。だからこそ、購入前に以下の5点を確認すべきです。

3Dスキャンのプロの意見
  1. 【最重要】サンプルスキャンを依頼する Webサイトの綺麗なスキャン事例は、理想的な条件下で撮影されています。また、会社によっては後加工したデータを載せている事例もあり、そもそもソフトウェアでは出せない状態のメッシュをサンプルとして掲載している会社もあります。自社が本当にスキャンしたい材質(光沢物、黒色樹脂など)のサンプルを送り、実際にスキャンしてもらいましょう。

  2. ソフトウェアの操作感、ハンディの場合はトラッキングを試す ハードの性能が良くても、ソフトが使いにくければ意味がありません。操作性は事前に確認しましょう。その中でもハンディはトラッキングによってすべてが決まるといっても過言ではありません。過剰にマーカーを貼らないと撮れない機種であったり、黒、反射に過剰に弱くスプレーが必要な低価格帯機種もあります。その場合は全くスキャンができないのでお金が無駄になります。

  3. サポートの「質」を試す 「国内サポート有り」でも、返信が遅かったり、技術的な質問に答えられなかったりする場合があります。購入前に一度メールや電話で問い合わせ、その対応品質を確かめるのが確実です。

  4. パソコンは必要? 基本的に3Dスキャナーを動かす際には高価なグラフィックボードを搭載し、メモリ、CPU性能の高いPCが必要になります。これだけで安くても20万前後必要になるので、検討の際には確認を忘れずに

  5. デモができるなら必ずデモを 上記4つをこれ一つで解消できます。Youtubeなどで上がっている動画は案件なので基本悪くは言いません。正直レビューと書いてあってもOKラインのデメリットしか挙げていないケースがほとんど。自分の目で見て満足してから買いましょう。



Seed3Dは低価格機種であっても購入前にデモ、オンラインデモを行っております!


東京近郊であれば訪問デモと全国どこでもオンラインデモを無料で行っております!

また、どんな機種を買えばいいのかわからない方向けに選定サポートも行っております。撮りたい対象物と使いたい用途をヒアリング後適切な機種の選定を行います。



デモの依頼はこちらから




6. まとめ:賢い投資で製造現場のDXを

3Dスキャナー導入成功の鍵は、自社の目的を明確にし、身の丈に合った最適な機器を選ぶことです。まずは低価格帯の機種で3Dデータ活用のノウハウを蓄積し、費用対効果を実証した上で、必要に応じてハイエンド機へステップアップするのが賢明なプロセスです。この記事で挙げた鉄則と注意点を参考に、貴社の生産性を高める一台を見つけてください。

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