3DスキャナーでRhinoユーザーのモデリングが変わる!連携メリットと実践ワークフローを徹底解説
- 大橋竜也

- 7月14日
- 読了時間: 7分
更新日:7月23日
「モデリングはRhinoだけで十分」と考えていませんか? 実は、そこに3Dスキャナーを加えるだけで、これまで時間のかかっていた複雑な形状や有機的なデザインを、現実世界から一瞬でデジタルデータに取り込めます。あなたのモデリングワークフローは、全く新しい次元からスタートできます。
この記事では、最新のRhino 8環境をベースに、3Dスキャナーを導入することで得られる具体的なメリット、スキャンからデータ活用までの実践的なワークフロー、そしてRhinoと相性の良いおすすめの機材までを網羅的にご紹介します。
Rhinoユーザーが3Dスキャナーを導入すべき理由
手作業でのモデリングには、どうしても精度や時間に限界があります。3Dスキャナーは、こうした課題を解決するための強力なソリューションです。
3Dスキャンデータを最大限に活かすRhino 8の強力な機能
Rhino 8には、スキャンデータを効率的に活用するための機能が標準で搭載されており、プラグインと組み合わせることで、さらに可能性が広がります。

ShrinkWrap:荒れたメッシュデータを一瞬で修復
スキャンしたままのデータは、穴が開いていたりノイズがあったりします。ShrinkWrapコマンドは、そうしたデータを自動で補修し、3Dプリントにも対応可能な【watertight(水漏れのない)なメッシュ】を生成します。これにより、面倒な手作業の修正時間を大幅に短縮できます。

QuadRemesh + SubD変換:滑らかな曲面を自在にコントロール
QuadRemesh機能を使えば、高密度のスキャンメッシュを、編集しやすいきれいな四角形ポリゴンに再構築できます。さらに「SubDに変換」オプションを使えば、少ないポリゴン数でありながらも、滑らかな曲面を持つSubD(サブディビジョン)オブジェクトに変換可能です。エッジのシャープさや丸みを後から直感的に調整できるため、工業デザインの試作プロセスに即座に応用できます。

Mesh2Surfaceプラグイン:スキャンデータからCADモデルへ
Rhinocerosの豊富なプラグインの中でも、Mesh2Surfaceは3Dスキャンデータからのリバースエンジニアリングに特化しています。スキャンしたメッシュデータから平面、円筒、フィレットなどの形状を自動で抽出し、編集可能なNURBSサーフェスを生成します。これにより、設計変更や再デザインのためのCAD化作業が飛躍的に効率化します。
Grasshopper連携:コンピューテーショナルモデリングへの応用
スキャンデータをGrasshopperに直接読み込むことで、アルゴリズムに基づいたデザイン生成が可能です。Closest PointやSurface From Pointsといったコンポーネントを使い、スキャン形状に沿ったボロノイパターンやラティス(格子)構造などを簡単に作成できます。

3DスキャンからCAD化まで:Rhinoでの代表的なワークフロー
ここでは、卓上型の3Dスキャナーを使った一般的な作業手順をご紹介します。
【目的別】Rhinoと相性の良いおすすめ3Dスキャナー3選
メイン対象物の30cm角以下のものを撮りたい方にお勧め!
Matter and Form THREE

Matter and Form THREEは低価格帯ながらも高い再現率でスキャンができる3Dスキャナー。通常スキャナーの使用にはハイスペックPCが必要ですが、Matter and Form THREEでは必要ないのでハイスペックPCを持っていないユーザーやMacユーザーにもおすすめ
40cm以上の大型スキャン、人体フィットパーツにはコレ!
EinStar

EinStarはハイエンド機も出しているShining3Dが提供する3Dスキャナーで低価格帯ながらも高いトラッキング性能でスキャンができます。人体や車にフィットするパーツ製作などはRhinocerosとこれがあれば問題ありません。
業務レベルや高い精度要求、建築系の一部で使うならコレ!
EinScan Libre

Shining3Dのハイエンド3Dスキャナー。スタンドアロンで使用でき、様々な光源をもっているので幅広い用途で活躍可能。超大型スキャンも可能で十メートル級のモデルにも使用できるため、FARO FocusやライカBLK360などといった空間スキャナーとも組み合わせて使用することもできます。
「買って終わり」にしない!スキャンデータのビジネス活用アイデア
3Dスキャナーは、モデリング作業の効率化だけでなく、ビジネスの様々な場面で価値を生み出します。
社内パーツライブラリの構築 繰り返し使用する部品や治具をスキャンし、Rhinoのブロック機能でライブラリ化。設計を始める際に、共通部品をドラッグ&ドロップで呼び出せるようになり、作業が劇的にスピードアップします。
Grasshopperでテンプレート化 Grasshopperを使い、「スキャンデータ読込 →データの置き換え→ ラティスデータ作成」という一連のプロセスを自動化。ボタン一つで様々なデザインが実現します。
ARを活用したクライアント提案 Rhinoで最適化したメッシュデータをUSDZやglTF形式で書き出し、iPadやスマートフォンのAR機能で実寸大表示。クライアントは、その場で質感やスケール感を含めたリアルなレビューが可能になり、商談の成功率を高めます。
まとめ:Rhinoと3Dスキャナーで、モデリングの次元を引き上げよう
かつては高価で専門知識が必要だった3Dスキャンですが、今は状況が大きく変わりました。
Rhino 8の進化: ShrinkWrapやSubD機能が標準搭載され、スキャン後のデータ処理が格段に簡単になりました。
強力なプラグイン: Mesh2Surfaceのような専用プラグインを使えば、スキャンからCAD化までをRhino内で完結できます。
低価格・高性能化: 精度0.1mmクラスの高性能な卓上スキャナーが、かつての1/5以下のコストで導入できるようになりました。
Rhinoだけでは捉えきれなかった“現実世界のリアルな形状やニュアンス”を、3Dスキャナーであなたのデザインワークフローに取り入れてみませんか?次のプロジェクトから、作業時間と精度の両方が、確実に一段階レベルアップするはずです。
\ Seed3Dでは、Rhinoユーザー向けスキャナー導入の無料相談を受付中です!/
オンラインデモ、デモデータの提供
あなたの用途に最適な機種の比較表
購入後の3Dスキャンから後処理までのワークフロー講習(オンライン可)
「まずは一度、実際に触ってみたい」「自分の用途に合うか試したい」という方は、ぜひお気軽にご連絡ください。










