【副業で低価格3Dスキャナーはつかえるのか？】プロが実際の事例とともに考える

株式会社Seed3D
2月27日
読了時間: 9分

更新日：4月7日

はじめに：副業に3Dスキャナーが注目される理由

近年、テレワークや在宅ワークの普及に伴って“副業”がブームになっています。そんな中、「3Dスキャナー」を使った副業に注目が集まっています。3D関連市場は年々拡大しており、3Dプリンターや3Dモデリングサービスの需要が右肩上がりです。その波に乗る形で、低価格3Dスキャナーを導入して副業を始める方も増えつつあります。この記事では、3Dスキャナーを使った副業の可能性やメリット、具体的な稼ぎ方・導入のポイントを解説します。

1. 3Dスキャナーとは？副業との関係を簡単に理解

3Dスキャナーの基本仕組み

3Dスキャナーは、物体の形状や寸法、質感などを光やレーザーを使って読み取り、3Dデータとして取り込む機器です。従来は工業分野での利用が多かったのですが、近年は低価格3Dスキャナーの登場で個人でも手が届きやすくなりました。

副業での活用が期待される理由

3Dデータの需要拡大

3Dプリンターの普及やAR/VR技術の進化により、3Dモデルのニーズが増えています。
3Dスキャナーの低価格化
今まで数百万円ほどした3Dの機材も今では10万円前後から購入することができます。
競合がまだ少ない
Webデザイナーやライターと比べ、3Dスキャナーを使いこなせる人材は少数。市場で注目を集めやすいです。また、3Dスキャンデータはそのまま使うということは少なくポストプロセスが必要になるのでその能力と組み合わせるとさらに希少です。

2. 副業で低価格3Dスキャナーを使うメリット

希少性・差別化が図れる写真撮影やデザイン系の副業は比較的競合が多いですが、3Dスキャナーを活用できる人材はまだ限られています。そのため、専門性が高く、希少価値も大きい点がメリットです。
自分の得意分野と組み合わせやすい
- デザイン・CADスキルがある人は、3Dスキャンしたデータをそのまま3Dモデルに加工して提供
- ハンドメイド作家は、自作品の3Dデータ化や複製、オリジナルグッズ制作につなげられる
オンライン完結が可能
3Dデータの受注から納品までクラウドソーシングやファイル転送サービスを使えば、全てオンラインで進められます。物も送れる範囲の物であれば送ってもらって3Dスキャンをするサービスができるので、副業として時間や場所の制約を受けにくいのは大きな利点です。

3. 【事例】3Dスキャナー副業の具体的な活用法

3.1 3Dプリントサービス

副業で3Dプリンターを持っている方や、外部の3Dプリントサービスと提携できる場合は、スキャナーで取り込んだデータを試作品やフィギュアとして出力して提供することが可能。

キャラクターやフィギュアの原型複製
模型や部品のカスタマイズ、修理パーツの作成

3.2 3Dモデリング支援

建築や製造業などで必要とされるCADデータ化を行う副業スタイルです。実際に3Ｄスキャナーを購入したもののそれがそのままCADデータになると勘違いして納入してしまって活用ができていない会社も多く、CAD化やBIM化まで行えるオペレーターの需要は高いです。

3Dスキャンデータをもらう→CADデータやBIMデータを起こす
3Dモデルソフトで修正・最適化を行い、業者へ納品

3.3 3Dデータ販売

スキャンしたデータをマーケットプレイスで販売し、ストック型の収益を狙う方法もあります。

CG系素材サイトに**“3Dモデル”**として出品
ゲーム開発やVR/ARコンテンツ向け素材としての需要増

3.4 オリジナルグッズ・オーダーメイド品制作

ハンドメイド作品や記念品を3Dスキャナーでデータ化し、複数個生産やカスタマイズ品の作成を行うことで付加価値を高められます。

陶芸品やアクセサリーなど一点モノを複製し、販売拡大
結婚式やイベントのオリジナルフィギュア作成

4. 副業で低価格3Dスキャナーを導入する際の注意点・準備

4.1 機材選び

低価格3Dスキャナーからハイエンド機まで、予算に合わせた選択が必要
解像度やスキャン可能サイズ、付属ソフトの操作性をしっかり確認
なるべく実機でのデモを行い、自分の目的に合った製品を選びましょう

4.2 スキル学習コスト

スキャンしたデータを扱うため、3Dモデリングソフト（Blender、Fusion360など）の基本操作を覚える必要があります。また3Dスキャンデータは少し特殊なので専用のリバースソフト等を入れる方がいい場合もあります。
3Dスキャナーに付属のソフトウェアの使い方も重要なので、チュートリアルやオンライン講座を活用

4.3 スペースの確保

大型の物体をスキャンする場合、ある程度の作業スペースが必要
スキャナーの種類によっては、周囲の光条件など環境面にも注意

4.4 法律や権利関係

他人のデザインや著作物を無断でスキャンするのは違法行為となる可能性がある
顧客データの取り扱いや権利関係については、契約や利用規約などを明確にしておくことが大切

5. 【稼ぎ方】副業としてのマネタイズ戦略

5.1 SNSやECサイトを活用

InstagramやTwitterにスキャンした作品や実例を投稿することで潜在顧客を獲得
BASEやCreema、EtsyなどのECサイトで3Dプリントグッズや3Dデータを販売

5.2 クラウドソーシングで受注

LancersやCrowdWorksには、3DモデリングやCADの案件が定期的に掲載
「3Dスキャナーを使えます」とプロフィールに書くことで競合との差別化が可能

5.3 技術特化ブログ・YouTubeチャンネル

3Dスキャンや3Dモデル化の手順を動画や記事で発信し、広告収益を得る
ノウハウ提供やオンラインレッスン（コンサル）などへの展開も視野に

5.4 コラボレーション

デザイナーや職人との協業で、特殊な形状の商品やオーダーメイドアイテムを共同開発
地域のものづくり企業やアーティストとタイアップして案件を広げる

6. 初期コストと回収の目安

低価格3Dスキャナーは数十万円から、高性能機になると数千万円以上まで幅広い
3Dプリンターも同様にエントリーモデルは数万円程度
月に数件の案件を受注して1件1～3万円の報酬を得られれば、低価格帯の機材費なら半年～1年以内に回収できる可能性もあります
スキルが上がり、高精度の仕事ができるようになれば単価アップも期待できます

7. よくある質問（FAQ）

Q1. 初心者でも扱える？

A. 最近の3Dスキャナーは自動補正やユーザーフレンドリーなソフトが増え、初心者でも比較的始めやすくなっています。ただし、3Dデータ編集ソフトの習熟は必要です。3Dスキャンしたデータを扱うには特にハイポリゴンのデータを扱う必要が在りますので注意が必要です。

Q2. どんな案件を受注できる？

A. ものづくり企業の試作品作成や、個人のオリジナルフィギュア作成、3Dモデル販売などジャンルは多岐にわたりますが、今の自分の業務や特技などと組み合わせて考えてみるといいでしょう。クラウドソーシングサイトの活用がおすすめです。

Q3. どれぐらいの解像度が必要？

A. フィギュアや精密部品の場合は高精度が好まれますが、どんな3Dスキャナーを使用しても結局修正が必要ですし、ディティールが甘いとか言ってるわりにそもそもそんな高い解像度の重たいデータを読み込めるCADをお持ちでない人も多いので、結局は用途に対してできるかという基準になります。

また今では、低価格3Dスキャナーでも一定レベルの製品が多く登場しています。選定を間違えるとそもそも撮れないという事象が発生しますが、まずは用途を明確にして選定しましょう。

Q4. パソコンのスペックはどれくらい必要？

A. 3Dデータの処理や編集にはある程度のグラフィック性能とメモリ容量が必要です。可能であれば8GB以上のRAMとグラフィックボード搭載PCを検討しましょう。

副業におすすめの3Dスキャナーは？EinstarとVegaをチェック

1. Einstar（Shining 3D）

Einstarは、3Dスキャナーを数多くリリースしているShining 3D社のエントリー向けの製品です。初心者でも扱いやすく、手頃な価格帯と高いコストパフォーマンスが魅力です。

主な特徴

優れた操作性：専用ソフトウェアが直感的に使えるため、スキャン初心者でもスムーズに学習可能。
カラー情報の取得が可能：テクスチャを含めたスキャンができるので、彩色のある3Dデータを作成しやすい。
コストパフォーマンスの高さ：エントリーモデルとしては十分な精度と高いトラッキング性能を持ち、導入ハードルが低い。

こんな方におすすめ

これから3Dスキャナーの副業を始めたい初心者
予算を抑えながらも、ある程度の精度を確保したいユーザー

Einstarの詳細はこちら

2. EinstarVega

EinstarVegaは、上記のEinstarの上位機種でパソコンのいらないコードレスで3Dスキャンができることとカラー解像度の高さが魅力です。

主な特徴

コードレスでパソコンが不要：パソコンがなくても3Dスキャンができるので屋外や持ち出し、気軽にスキャンができるメリットがある。また、通常3Dスキャンにはグラフィックボード搭載の良いノートパソコンが必要になるので、そこのコストが不要になります。
繊細なフルカラーが可能：48MPのカラーカメラを搭載しており、かなり繊細なカラーをスキャンすることができます。
小さいもののスキャンもできる：3Dスキャナーには得意不得意があり、小さいものか大きいものか対応できる範囲があります。Vegaは二つの光源を搭載しており、どちらにも対応することができます。

こんな方におすすめ