【ルアービルダー必見】3Dスキャンで実現する次世代のルアー制作術!デジタルクラフトへの第一歩
- 大橋竜也

- 7 時間前
- 読了時間: 3分
1. ルアー制作にも“デジタル化”の波
近年、ハンドメイドルアー制作の世界でも3Dスキャンを活用したデジタル制作が注目されています。従来は職人の手作業に頼っていた造形や複製も、3DスキャナーとCADソフトを組み合わせることで高精度かつ再現性の高い制作が可能になりました。
今回紹介するのは、「Matter and Form THREE」×「Geomagic Essentials」によるルアーのスキャンからデータ修正までのデジタルワークフローです。
2. 使用機材紹介:
Matter and Form THREE
Matter and Form THREEは、カナダ発の高精度デスクトップ型3Dスキャナーです。
光学式レーザースキャン+回転台連動による自動スキャン
高解像度、再現性の高いスキャンデータ
コンパクトで軽量、USB電源で動作
このスキャナーは、ルアーのような小型対象物が得意とする機種です。

Geomagic Wrap for 3DMakerpro Essentials
Geomagic Wrap for 3DMakerpro Essentials は、低価格ながらも3DスキャンデータをCADや3Dプリントに最適化するためのメッシュ編集・サーフェス化ソフトウェアです。しかもサブスクではなく買い切り

Matter and Form THREEをはじめとした3Dスキャナーで取得した点群・メッシュデータを、製品設計・リバースエンジニアリング・2D展開などの後工程へスムーズに引き渡すための必須ツールです。
3Dスキャンしたデータの原点出し
3Dスキャンデータの編集
3DスキャンデータをオートサーフェスでCAD化
ができる高機能ソフトウェアです。

ルアー
今回のスキャン対象物。ルアー開発を行っているはざまの様のルアーをスキャンさせていただきました。

ホームページはこちら↓
3. スキャン手順:ルアーをデジタルデータ化
ルアーを台座またはスキャンターンテーブルに設置
スキャン範囲と角度を設定
Matter and Form THREEのソフトウェアで自動スキャンを開始
約5〜10分でSTL/PLY/OBJ形式の3Dデータを出力
これにより、ルアーの表面形状を忠実に再現したメッシュモデルが得られます。

4. Geomagic Essentialsによるデータクリーニング
取得したスキャンデータには、環境ノイズや不要な部分が含まれます。ここで活躍するのがGeomagic Essentialsです。
ノイズの除去
不要な穴埋め(ホールフィル)
原点出し(座標軸の設定)
オートサーフェスによる自動CAD化

オートサーフェスを行う理由としては単にCADデータとして扱いやすくするだけでなく、通常3DCADでサクサク動く程度までメッシュのデータ削減を行うとせっかく高精度で撮ったスキャンデータが粗くなってしまいます。オートサーフェス機能では元のハイポリゴン状態のメッシュとほぼ形状を変えずにCAD化ができるというメリットがあります。ここでは元のスキャンデータと作成されたデータの誤差は±0.0093mm以内にほとんどが収まっていることがわかります。

クリーニング済みのメッシュをオートサーフェス機能で自動解析し、NURBSサーフェスへ変換。STEP / IGES形式として出力すれば、Rhino・Fusion 360・SolidWorksなどのCADで穴位置の作成や穴のあけなおしが簡単にできるようになります。

型作成の場合はオートサーフェスで制作したデータを型となるデータから減算することで再現度高く3Dデータを作成できます。

5. ルアーデザインのリメイクと量産
デジタル化されたルアーは、
サイズ変更(スケーリング)
フック位置の調整
内部ウエイト構造のモデリングなどの再設計が容易です。
また、3Dプリンターで試作するプロトタイピングも短期間で実施可能になります。
6. まとめ:ハンドメイドから“デジタルクラフト”へ
Matter and Form THREEとGeomagic Essentialsの組み合わせは、ハンドメイドルアーの世界に新たな制作手法をもたらします。「デジタル職人化」の第一歩として、スキャン→修正→出力のプロセスを体験してみてください。
Seed3Dでは、3Dスキャナー導入相談やGeomagic Essentialsの教育ライセンス、操作トレーニングも対応しています。
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