【本音レビュー】3DMakerpro Raven MAX RTKを実際に評価|メリット・デメリットを正直に正規販売代理店が解説
- 大橋竜也

- 4 日前
- 読了時間: 7分
更新日:1 日前
3DMakerpro Ravenは、低価格でLiDARスキャンと3D Gaussian Splatting(3DGS)に対応した3Dスキャナーです。価格だけを見ると非常に魅力的ですが、実際の使い勝手はどうなのでしょうか。
今回は正規販売代理店として実際に検証した結果をもとに、良い点だけでなく気になった点も含めて本音でレビューします。
※今回はRTKは使わずスキャンしたのでRavenMAXと同じ仕様です。
結論:点群取得ならコストパフォーマンスは非常に高い
結論から言うと、点群を取得する用途であれば価格以上の性能を持っています。
一方で、3DGSの作成やソフトウェアにはまだ改善してほしい部分もあり、用途によって評価が分かれる製品だと感じました。
点群スキャンは普通に歩くだけで十分
Ravenの一番驚いた点は、点群取得だけであれば特別な撮影技術がほとんど必要ないことです。
基本的には周囲を見渡しながら普通に歩くだけで、問題なくスキャンできます。
点群も十分綺麗に取得でき、この価格帯としては満足できる品質でした。
自己位置推定は価格を考えれば十分優秀
LiDARスキャナーで重要なのが自己位置推定(SLAM)性能です。
Raven MAXは高価な業務機ほどではありませんが、40万円台という価格を考えると十分優秀だと感じました。
通常の建物や屋外環境では大きな問題なくスキャンできます。
さらにRaven MAXでは歩いたルート(パス)も確認できます。
現場全体をどのように歩いたか把握しやすく、広い現場では便利な機能です。

寸法測定も「目安としては使える」
Ravenは測量専用機ではないため、トータルステーションや地上型レーザースキャナーのような高精度な測定機器と比較すると、測定精度は当然物足りません。 ミリ単位の精密測定や、測量成果として使用する用途には適していないと考えた方がよいでしょう。
ただし、実際に取得した点群上で距離を測ってみると、現場の概略寸法を確認する用途であれば、ある程度実用的に測定できます。
実寸2.65mの場所を測定
実際の寸法が2.65mの場所をRavenでスキャンし、取得した点群上で2点を指定して距離を測定しました。

点群上のポイントを手動で選択する「ポイントピック」による測定のため、選択する点によって測定値には多少のばらつきが発生します。
数値
1回目:2.657m
2回目:2.650m
3回目:2.645m
また、壁や床の点群には厚みやノイズがあるため、測定者によっても結果が変わる可能性があります。
それでも、設備や建物の大まかな寸法確認、現地調査後の確認、概算見積もり用の参考寸法など、数センチ程度の誤差を許容できる用途では実用的と感じました。
ただし、今回の結果は特定の環境で取得した一例であり、常に同じ精度を保証するものではありません。対象物までの距離、表面の材質、スキャン方法、自己位置推定のずれなどによって測定結果は変わります。
3DMakerpro Raven MAXでは高さ約30mの吹き抜けでも点群を取得できた
測距性能を確認するため、1階から上方向を見渡せる吹き抜け構造の建物もスキャンしました。
その結果、垂直方向で約30mの高さまでLiDARが点を取得していることを確認できました。

この場所を選んだのは、垂直方向の高さが分かる環境の中で、測距距離を確認しやすいサンプルだったためです。30m付近では近距離部分と比べて取得できる点の数は少なくなりますが、LiDAR自体は対象物を認識していました。
今回の検証では約30m先でも実際に点群として取得できることを確認できました。メーカー仕様ではスキャン半径40m(反射率10%)/50m(反射率80%)となっていますが、遠距離では点密度が低下するため、実用的な計測距離とは分けて考える必要があります。
3DGSは撮影方法にコツが必要
一方で、3DGS(Gaussian Splatting)を作成する場合は難易度が上がります。
点群取得とは異なり、専用の撮り方が必要です。3DGS向けの撮影方法を意識する必要があります。最終的な用途に向けにとる必要があるでしょう。(同じ場所ですが、別日撮影のため、やや異なっています。)


慣れていないと品質が大きく下がるため、最初は少し練習が必要でしょう。
3DGSを使うならInsta360はほぼ必須レベル
3DGSを本格的に活用するなら、Insta360などの360度カメラを併用することをおすすめします。
360度映像を利用することで、
テクスチャ品質
見た目の自然さ
撮影効率
が大きく向上します。
Raven単体でも3DGSは作成できますが、完成度を重視するのであれば360度カメラとの組み合わせが現実的です。
3DGSのWatermarkなしエクスポートは月一回まで、それ以上はサブスクリプション【月8.99ドル】
注意点としては3DGSのWatermarkなしエクスポートは、月一回までは無料ですがそれ以降は有償となります。ただし、機械本体分が安価な分、月額8.99ドル程度ですので業務ユーザーにとってはそこまで大きな負担ではないかもしれません。
※エクスポートが有料なのはあくまで3DGS用のPLYのみです。通常の点群データは無料でエクスポートできます。
3DGSはPCスペックが非常に重要
見落とされがちですが、3DGSではPC性能が非常に重要です。
高品質な3DGSを生成するには、
高性能GPU
大容量メモリ
CPU性能
が必要になります。これを満たさない場合は、計算開始すらできません。
逆に点群取得だけで利用するのであれば、そこまで高性能なPCは必要ありませんが、NVidiaグラフィックボードは必要なのでしっかりと必要スペックは確認しておきましょう。
用途によって必要なPCスペックが大きく変わる点は、購入前に知っておきたいポイントです。

コツを意識しながら出ないと長距離スキャンでは自己位置推定がずれることも
短距離では安定していますが、長距離を歩き続けるようなスキャンでは位置ずれが発生することがあります。これは歩く際のコツなども必要になります。
ループ閉合による補正機能もありますが、やや物足りない印象でした。
特に広大な敷地を一度にスキャンする場合は、この点を理解して運用する必要があります。
ソフトウェアは改善の余地あり
最も気になったのはソフトウェアです。
必要最低限の機能は備わっていますが、操作性、UI、ワークフロー、機能面については今後の改善に期待したい部分があります。簡易測定機能や点群の簡易除去、カラー化などはソフトウェア上で行えるため、特段現状では困る点は浮かんではいないものの、項目が弱、中、強といったような数値ではなく感覚的なものが多いので細部にこだわるユーザーにとっては物足りないものがあります。
また、スキャナー画面側のユーザーインターフェースは現在位置を確認できるので、知っている場所であれば位置はわかりますが、カラー点群ではなく簡易表示のため、自分がどこをスキャンしたのか直感的に把握しづらい場面もありました。
3DMakerproのソフトウェアはバージョンアップデートは無料で行え、数か月に一回ペースで更新されているため、改善に期待です。
総合評価
Raven MAXは「40万円台でここまでできるのか」と感じられるLiDARスキャナーでした。
点群取得だけを目的とするのであれば、価格以上の性能を備えており、建築、不動産、設備管理、土木、文化財など幅広い用途で活用できるでしょう。
一方で、3DGSでは撮影方法にコツが必要で、360度カメラや高性能PCがあるとより高品質なデータを作成できます。また、ソフトウェアや長距離スキャン時の補正性能には改善の余地があると感じました。
メリット
点群取得は普通に歩くだけで簡単
自己位置推定性能は価格を考えると十分優秀
Raven MaxはRTKオプションで歩行ルートも確認可能
コストパフォーマンスが非常に高い
デメリット
3DGSは専用の撮影方法を覚える必要がある
3DGSでは高性能PCがほぼ必須
立ち回り次第では自己位置推定がずれることがある
ソフトウェアの使い勝手には改善の余地がある
総合すると、「点群取得を手軽に始めたい人」には非常におすすめできる一方、3DGSを本格運用する場合は周辺機材やPC環境も含めて導入を検討すると満足度が高くなるというのが、実際に検証した率直な評価です。
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